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2025/01/22
ミニカーとダイカスト
今年もよろしくお願いします。(巳年と言う事で蛇とミニカー)
皆様、遅くなりましたが本年もよろしくお願い致します。今年も変わらずダイカスト製ミニカーは勿論、全く教養にならないその他諸々の情報を継続して参りますのでお付き合い下さい。
さて今年の干支は蛇(ヘビ)、巳年です。気持ち悪いとか、怖いとか、噛まれたら大変とかいいながら、何かと縁起が良いとされるツンデレな生き物の年です。今年最初の『ミニカーとダイカスト』も、その運を授かるように、蛇を題材としたいと思います。
●アルファロメオ
蛇と自動車をイメージして、カーマニアの方々が最初に思い浮かべるメーカーとは?間違いなくイタリアの名門、アルファロメオではないでしょうか。何故アルファロメオと蛇が関係しているのかって?皆さんアルファロメオのエンブレムをよくご覧になってください。左側には赤い十字架、右側には人間を咥えている大蛇が描かれています。ちょっと怖いエンブレムですが、赤十字はアルファロメオの発祥の地イタリアはミラノ市の紋章です。そして左はミラノの貴族、ヴィスコンティ家の紋章となります。由緒正しきエンブレムなのですね。という事で蛇と自動車=アルファロメオとなる訳です。
アルファロメオのミニカー
奥の左側はフランス・ソリド社のダイカスト製ミニカー
1960年代のアルファロメオのレーシングカー TIPO33 1/43サイズ
奥の右側はドイツ・ポールズモデルアート社のダイカスト製ミニカー、1/43サイズミニカーを現在のような精工なディスプレイモデルとした草分け的なメーカーです。車両は1993年にドイツツーリングカー選手権(DTM)で活躍したアルファロメオ155 V6、ドライバーは元F1レーサーのニコラ・ラリーニ。
中央左はアメリカ・ホットウィール社のダイカスト製ミニカー アルファロメオ8C 1930年代から続くアルファロメオのレーシングカーの名前を冠して2007年に登場(この時既に完売)した流麗なスポーツカーです。ちなみに8Cは8cylinders(イタリア語ならcilindriかも)、つまり8気筒と意味します。
手前2台はフランス・マジョレット社のダイカスト製ミニカー 左の白が4C、右はジュリア。こちらのミニカーはよくスーパーの片隅でガム付きミニカーとして販売されているものです。以外とマニアックな車種が多い事が魅力。トミカには無い渋い国産車もありますので、興味のある方はお買い物のついでに探してみてはいかがでしょうか。
続いて、車名に蛇がつく車のご紹介。なかなか蛇の名前を製品名にしようなんて会社はありません。でもいくつか存在します。ミニカーでご紹介しましょう。
●シェルビー・コブラ
強い蛇=やはりコブラを連想します。1960年代にアメリカのキャロル・シェルビーが英国ACカーズのエースという小さなオープンスポーツカーに無理やりフォードV8エンジンを詰め込んだ、まさに『羊の皮を被った狼』の王道といった車両です。最終的には427キュービックインチのエンジン(解りやすく換算すると約7000cc)485馬力、時速290kmにまで達しました。コブラは空力を改善し1964年のルマン24時間レースでは、デイトナ・コブラという車両で見事にクラス優勝まで果たしています。また、その功績はイタリアの自動車メーカー、デ・トマソに影響を与えて、対コブラとしてデ・トマソ マングスタ(マングース)という車両が出来たと言われています。コブラにマングースを対抗させるあたり、洒落た時代だったのですね。
キャロル・シェルビーという人物についてもっと知りたい方は2019年公開の映画【フォードVSフェラーリ】をご覧ください。名優マット・デイモンがキャロル・シェルビーを演じています。
シェルビー・コブラのミニカー
奥は30年ほど前に近所のDIYのスーパーで格安で売られていたメーカー不明の謎ミニカー1/18で激安の割に細部まで精工に作られています。国内某メーカーの製品と瓜二つのため、コピー品ではないかと思われます。
赤いのはこれまた30年以上前に新聞広告で見かけて電話注文してしまった謎のミニカー、これもサイズ不明ですが非常に精工に作られています。
グリーンとブルーの2台は、これもまたまた非常にレアなミニカーで、ミニカーショップコジマのオリジナルブランド、ルビコンコジマのコブラです。この製品の製法はアンチモニー鋳造となります。実車よりもグラマーなボディが逆にコブラ感(ってなんだ)を連想させる素晴らしいモデルです。当時はお客様の本社がある五反田にお店があり、毎週通っておりました。(お客様に通っていたのか、コジマさんに通っていたのか?は詮索しないでください。)
手前の黒いのは40年ほど前のミニカー、イタリアのBOXモデルのものです。他と比較するとボディが細いですが、現在の目で見ても通用する作り込みで、私の好きなブランドの一つでありました。今は存在していない様です。
●ダッジ・ヴァイパー
そしてコブラの誕生から30年、1991年にアメリカのダッジ社より、コブラをオマージュしたスポーツカーが誕生します。その名は VIPER(ヴァイパー)、毒を持つ危険な蛇の総称です。スペックは8000cc、V型10気筒、406馬力という正にアメリカンスポーツカーという車になります。RT/10というオープンスポーツとGTSというクーペが存在しています。アメリカの大柄なGTカーと思ったら大間違い、前記のコブラもこのヴァイパーも数多くのレースシーンで活躍した、レーシングスポーツカーになります。
ダッジ・ヴァイパーのミニカー
全てイタリアのブラーゴ社のダイカスト製ミニカー、30年くらい前のものです。当時からダイカスト後にロボットで取り出し、そのままロボットでバリ取り~加工と、オートメーション化したダイカスト製法を取っており、最新の工場だったと記憶しています。
上段はオープンモデルのRT/10、下段はクーペボディのGTSです。双方大きさは1/18とビッグサイズモデルになります。1/18のミニカーのパイオニア、ブラーゴの製品は各ドアの開閉、ハンドルに連動して前輪が動くなどのギミックを満載して、しかもリーズナブル(当時は)な価格。昔は買えるお店が限られていて、高崎では高島屋と老舗のプラモデル屋さんくらいでした。当時が懐かしい。
そして手前は同じくブラーゴ社の1/43サイズのGTSです。ブラーゴ社の1/43は現在に至るまで一貫してチープ(笑)。このサイズは、他社は精工なディスプレイモデル(飾るためのモデル)が多い中、ブラーゴ社だけはずっとチープ(笑)。子供が手に取って部屋や砂場でガシガシ遊べるモデルとなっている点は、今もコンセプトとして引き継がれています。
●光岡・オロチ
最後に日本車からご紹介。日本車で蛇の名前が付く車なんてありましたか?と疑問に思うでしょう。しかし、探すとあるのです。それが2007年に光岡自動車から発売された『オロチ』です。オロチは実際には神話に登場する架空の動物ですが、蛇としてカウントしました。そのデザインは正にオロチそのもので、他に似たものは未だに存在しません。エンジンはレクサス用3300ccV6エンジンをミッドシップレイアウト、出力は233馬力と見た目とは裏腹な大人しいスペックで、トランスミッションもATのみです。光岡自動車のコンセプトは日常的に扱える、ファッションスーパーカーとの事。しかし車幅は脅威の2035mm!!、そのデザインからメディアとのコラボレーションも多くあり、2014年にはセブンイレブンで限定1台を販売した、エヴァンゲリオン・オロチという車両もあるそう。NETで写真を見ましたが、スゲーの一言です。
光岡 オロチのミニカー
ご存じ日本が誇るダイカスト製3インチミニカーの代名詞、トミカからご紹介。紫色のオロチは2007年発売のもの。実車のおどろおどろしいデザインが忠実に再現されています。また前記の車幅の広さも良く解るモデルです。紅白のオロチは中古屋さんでGETしたトミカで、トミカハイパーシリーズの一台だと思います。お正月なのでおめでたいカラーをチョイスしました。
今回は干支にちなんでミニカーを並べてみました。蛇は『再生』や『繁栄』の象徴とされているそうです。
本年も皆様の繁栄を祈念致します。そして改めまして本年も『ミニカーとダイカスト』を宜しくお願いします。